ヒトパピローマウイルス関連がんに関する研究
ポイント
- レトロウイルス学研究の主要研究室として、当研究室は疾患の病態形成、各種病原性レトロウイルスの分子検出に焦点を当てている。
- ヒトパピローマウイルス(HPV)はヒトゲノムに組み込まれ、頭頸部癌と最も頻繁に関連している。口腔癌は頭頸部癌の約50%を占め、口腔癌の90%以上が口腔扁平上皮癌(OSCC)である。
- 当研究室は、ホルマリン固定がん組織からの高リスク型HPVであるHPV-16の信頼性の高い検出システムをすでに開発しており、口腔扁平上皮癌への応用を進めています。本研究では、HPVの配列の多様性を考慮し、より優れた感度を実現するためにHPV-16ゲノム全体をカバーしています。
研究概要
結果
- HPVゲノム全体をカバーする多重PCRにより偽陰性結果を克服。
- ddPCR技術によりHPVの絶対コピー数を算出し、症例を(1)「狭義のHPV-16陽性癌」-高HPVコピー数、(2)「広義のHPV-16陽性癌」- 低HPVコピー数に分類した。
- DNAキャプチャーシーケンスにより、17番染色体上の宿主遺伝子TMEM94のイントロン領域へのHPV-16の組み込み部位を同定。1症例では逆方向の向きであった。これは口腔扁平上皮癌細胞におけるHPV-16の組み込みを示す初の証拠であり、その完全なウイルス配列を提供した。
論文情報
論文名: Robust HPV-16 Detection Workflow for Formalin-Fixed Cancer Tissue and Its Application for Oral Squamous Cell Carcinoma
著者: Shizuka Morodomi, Akiyuki Hirosue, Akhinur Rahman, Kyotaro Nohata, Misaki Matsuo, Omnia Reda, Samiul Alam Rajib, Haruki Saito, Hiroki Takeda, Ryoji Yoshida, Masafumi Nakamoto, Masatoshi Hirayama, Kenta Kawahara, Mitsuyoshi Takatori, Yorihisa Orita, Hideki Nakayama, Yorifumi Satou
掲載誌: Cancer medicine, https://doi.org/10.1002/cam4.70544